大岡信展@神奈川近代文学館


 

神奈川近代文学館の大岡信(おおおか・まこと)展に行ってきました。

彼の辿った生涯、作品の数々、垣間見える人間性、等々が分かりやすく展示されていました。神奈川近代文学館は小さいのですが、そのコンパクトさがかえってちょうど良く、ふらっと見に寄れる、情報量が多すぎないので気持ちが疲れない。でも言及の深い展覧会でした。詩の見せ方も変にアーティスティックに奇を衒ったものでなく、シンプルで見やすかったです。

大岡信という詩人をまったく知らない人でも楽しめると思います。



大らかな感性、と評される大岡信の詩。私はこの方が巨大な知性の人でありながら、そのことばが自然で、時代性を気取ったりしない、カッコつけのないのがいいなと思いました。淀みなく流れる川のような日本語で、ぐずぐずしたところがない。森を通る風のように爽やかで、その後ろにどこかさびしさがあったりして。

合唱曲で、木下牧子さんの「方舟」がありますね。私が、大岡信の詩に最初に触れたのはこの曲です。




空を渡れ 錨をあげる星座の船団

灯火は地球に絶えた 悲愁は冷たく迅やかだ

湖水の風に羽を洗う鳥たちはむなしく探す

昨日の空にはためいていた見えない河原を


ひとよ 窓をあけて空を仰ごう

今宵ぼくらはさかさまになって空を歩こう

秘められた空 夜の海は鏡のように光るだろう

まこと水に映る森影は 森よりも美しいゆえ


(「方舟」より一部引用)



5月18日までだそうですので、横浜の中華街、西洋館あたりにいらっしゃる際は(もちろん横浜クライストチャーチにおいでの際も)是非行ってみてください。おすすめです!


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