鳩 「讃歌」





           という声に目を上げると
星のない空、でも無数の星のまなざしが聞こえる。
わたしがわたしと呼ばれる理由はみな、透明な湖の底に
すててしまった。それでも夜はわたしに心を差し出し、
火のぶどうのような一雫をわたしの片方の胸に埋めた。
あれは炎の鳥だったのか、光の島だったのか、真冬の山の頂で
向こうに見たものは。



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玉座の中央におられる小羊が彼らの牧者となり、
命の水の泉へ導き、
神が彼らの目から涙をことごとく
  ぬぐわれるからである


          (ヨハネの黙示録 7:17)



 ソプラノとオルガンのための「讃歌」、二曲目にあたる「鳩」は、実は元ネタがある。
https://youtu.be/GgXu5g4z57c?si=o6yrnhL6gQB6TBsw


この動画(56:55あたりから)でお話をされている下別府さんは、かつて人生に絶望し、身元を証明するものを全部池に捨て、山に登り、刃を頸に当てて命を絶とうとした。しかし「まだ来るんじゃない」という何者かの声を聞いて一命を取り止める、そこからが大変なホームレス生活になるのだが、NPO抱樸の方に出会い、救われ、教会に行き着いて今に至る、という話、下別府さんの語り口がとても良いので是非ご視聴いただきたい。
一応私はクリスチャンなので、この"何者かの声"の正体を考えたとき、やはりそれは神であると思わざるを得ない。鳩のように降るという、聖霊の導きなのではないか、と。
「鳩」は、生と死の境界にいる者を書いた。どう考えてもそこには死しか見えないはずなのに、その闇の深奥から、過ちを引き止める確かな存在の声が、聞こえたことはないだろうか?

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