ストリートピアノ

 ストリートピアノを弾いてきた。人生初、か。正確に言えば、本当に誰もいない時にポロポロ鳴らしたことはあった。けど、一曲通したのは初めて。最後の和音を弾き終え、手を鍵盤から膝に下ろすと拍手が聞こえて、見ると、わざわざ歩みを止めてくれて聴いてくれている人までいた。なんだか新鮮な感覚だった。声楽のコンサートの場合、観客は常に見えているから、なんなら拍手をしようと手を構えるところまで、見える。拍手の鳴るのが聞こえるより、見える方が先。それか試験や発表会みたいにお辞儀をするまで拍手をもらわないか。“御作法”にとらわれていない拍手が嬉しかった。人前でピアノを弾いて、拍手をもらうのは学部の試験以来な気がする。ピアノ弾くのは好きだけど人前でピアノを弾くのは苦手(人前で歌うのはそうでもない謎)... でも今日はちょっと自分の殻を破れたかな。

ピアノ自体、だが、上手い人が弾けばそんなこともないのだろうが、それにしても強く鳴りやすい感じがした。ピアノがもともとそういうピアノなのか、みんなにバキバキに弾かれるとそうなっちゃうのか(たぶん後者かなあ)。

みんなが楽器に優しく接してくれますようにと願いつつ、それが良くも悪くもストリートピアノの性格なのか、とも思う。ヒップホップ育ちは悪そうな奴はだいたい友達、らしいが、逞しいストリートのピアノ、悪そうな奴も良さそうな奴もみんな友達にして、みんなの友達でいてくれますように。

人気の投稿