夜のコロッセオ

夢で何度か同じ場所に行ったことがあるのだが、現実の世界においては実在せず、夢でしか見たことのない場所がある。夢でしか行けないところというのか。

私の場合、そこは近代的な屋外の円形劇場で、必ず夜だ。観客席までの道には色とりどりの薔薇が咲いている。そしていつも様々な国の人々が集まっている。日本人だけという時は絶対にない。誰もが楽しそうにしている。好きなスポーツチームの観戦のように、今日を楽しみにしていたんだと言う。

舞台に何が見えるかはその時々で違う。先日見たのは光輝く白い十字架だった。おお、あれか!と周囲が歓声を上げる。


私は時間が許せば長時間眠る。すると現実の方が泡沫で、夢の方が真実なのではないかと思う時がよくある。

夜のコロッセオでは、私は常に観客のひとりだ。もし一度でも舞台に立ってしまったら、私はあちらがわに行ってしまって、二度と目覚めなくなるのかもしれない。ひょっとしたらあれは彼岸なのかもしれない。

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