落雷と都市と人々―渋谷、宇都宮、横浜
大きな落雷だった。雷は苦手である。昼頃は渋谷におり、轟音が高層ビルに共鳴し合ってなかなかにおどろおどろしい光景だった。
たまたま居合わせた人が「今日、北海道から来たんです!」と怖々と、でも目をきらきらさせて嵐を見ていた。北海道は落雷が少ないのか。
我が故郷・宇都宮で出逢う雷はもっと恐ろしい。もうすぐ開通予定の路面電車「宇都宮ライトレール」の“ライト”が“雷都”とかかっているように、実際、雷が多い。しかも、近いし、デカい。バリバリと大気を八つ裂きにするような音といい、巨大な電磁砲のような稲妻の姿といい、落下した際の地面の轟々という震えといい...。雷神から見る日本列島がひとつの身体なのだとしたら、宇都宮という場所は“耳元”なのではと思う。
横浜にいると雷が遠いと感じる。そんな横浜でも、昔一度だけ激しい落雷のなかを歩いて帰らねばならかった時があった。私がびびりまくって軒先で歩けないでいたら、「キャー!ヤダー!コワーイ!」と同じようにびびって叫んでいた見知らぬギャルなおねーさんと遭遇し、ゆきましょー!ヤダー!キャー!ムリー!ギャー!ギェー!と二人で絶叫しながら(なのにケラケラと笑いながら)長い横断歩道を渡った。気づいたらおねーさんはいなくなっていた。
なんだったんだろうかあれは。一人なら怖くても二人なら勇敢になれることがある。そのために神さまがそこに遣わせた天使だったのか?あのギャルなおねーさんは。

